円形脱毛症に罹って以来、帽子は私にとって身体の一部でした。そんな私が不得意にしていたのが冠婚葬祭です。
どちらかというと断りやすいのは結婚式ですが、困るのはお葬式と法事です。
親戚に「来月法事があるから」と言われると、これが断れなくて困ります。
法事では、座ってさえいればいいというわけではなく、お焼香のときなど、なにかと帽子を脱がなくてはならない場面が多く出てくるのです。
親戚の法事ならほとんどが家族か親戚の人間なのでリラックスできるといえばできますが、でもなるべくなら遠縁の従姉妹には頭部を見られたくないというのが正直な気持ちです。
自分はどうして円形脱毛症などに罹ったのだろう、どうして自分だけがこんな目に合うのだろう、と何度運命を呪ったことでしょう。


